エネルギー代謝から見る糖質制限の必要性
こんにちは。
トレーナーの坂本です。
今回は、かなり硬いタイトルですが、糖質制限についてお話します。
最近ではかなりメジャーなワードとなった糖質制限。
世の女性陣においては、少なからず糖質制限の経験があるのではないでしょうか。
巷には「正しい糖質制限」などの謳い文句で書籍やネット記事が溢れています。
それだけ日本人は痩せるということに敏感なんですね(^^;)
糖質制限法はもともとは糖尿病などの高血糖症の治療法として出来たものですが、
ダイエット・シェイプアップを目的とする方にも非常に有効な方法です。
そもそも、人の体は主に三大栄養素である炭水化物と脂質を主要なエネルギー源として活動しています。
ここで言う炭水化物は糖質(ブドウ糖、果糖など)を、脂質は中性脂肪を指します。
糖質と中性脂肪では代謝経路が異なっています。
簡単に示すと、こんな感じになります。↓
糖質は解糖系と呼ばれる代謝経路で代謝され、無酸素条件下でピルビン酸という物質に変換されます。
このピルビン酸という物質を基にアセチルCoAという物質が作られ、
その後クエン酸回路という代謝経路で多くのエネルギー物質(ATP)が生産されます。
一方、中性脂肪はまず、グリセロールと脂肪酸の2つに分解されます。
その後、グリセロールは解糖系の中間物質に、脂肪酸はβ-酸化という化学反応により、アセチルCoAにそれぞれ変換され、
最終的にはクエン酸回路でのエネルギー生産の材料として使用されます。
また、グリセロールはグルコースの貯蔵量が少なくなると、グルコースに変換されます。
このグルコースの再生産のシステムを糖新生と呼びます。
糖質と脂質では、糖質の代謝が優先されます。
なぜなら、糖質は消化吸収の段階でエネルギー生産しやすい形(グリコーゲン)で保存される為、代謝のスピードが比較的早いためです。
お弁当のおかずを作り置きしとくと朝の用意が楽になるのと同じようなものですね。
ダイエットやシェイプアップにおいて体脂肪量を減らすためには、
ため込んだ脂肪をエネルギー源として使ってあげる必要がありますが、
糖質が体内に十分量ある状態では、身体が脂肪を代謝する状態にならず、
十分に中性脂肪を使うことが出来なくなってしまいます。
だって糖質を使ったほうが手っ取り早いのだから、糖質があればそっちから使おうと考えるのは当然ですよね?
なので、
脂肪量を日常的に減らしていく為には、体内の糖質量をある程度少ない状態に保つことが有効となります。
早い段階で糖質の在庫が無くなるようにして、体脂肪を使わないといけない状況を作ってしまうわけです!!
こうして、糖質の摂取量制限は、結果的に体脂肪の低減に繋がるのです!!
ただし、注意点が一つ。
糖質の完全OFFは逆効果になることが明らかとなっています。
『糖質を摂らないと代謝が落ちて逆に太りやすくなる』
という話を聞いたことがありますか?
これは実際にあり得る話で、
糖質を全く摂らずに脂質代謝だけに頼っていると
クエン酸回路の代謝活性が低下するということが明らかとなっています。
つまり、脂質代謝がある程度進行すると、エネルギー生産がストップしてしまい、
それ以上は体脂肪が消費されなくなってしまう上、
エネルギー枯渇状態に陥ってしまう危険性があるんです。
この理由は、おそらくですが、体脂肪が急激に減ることに対する体の防御反応であると考えられます。
体脂肪は必ずしも人体にとって悪者なわけではなく、
体温の保温や内臓への衝撃緩衝など、非常に重要な役割を持っています。
なので、あまりに急に体脂肪が減りすぎると、身体も困ってしまうんです。
したがって、糖質制限中でも最低限の量はしっかり摂取することが重要となります。
一般的にはお米を100gほど摂取するのが望ましいと言われています。
普通サイズのおにぎり1個くらいの量ですかね。
ただし、この量は個々の身体の大きさや活動量に依存するので、
少しずつ調整してそれぞれの最適量を見極めることが必要となります。
今回はなかなか小難しい話になりましたが、
少しでも糖質制限の必要性と考え方が伝わればよいかなと思い、記事にしました。
細かい所は実際にお会いした際にお話しできればと思います。
ご興味がある方はぜひボアソルチにお越し下さい(^^)
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皆さまのお問合せをお待ちしております!!
それでは!!!